不本意就学

 自分の積極的意志に基づかず、不満を抱きながら高校や大学に進学・入学・就学すること。不本意進学、不本意入学ともいう。

 アメリカの教育社会学者M.トロウの命名で、高等教育の大衆化に伴って出現してきた積極的な目的や希望もないままに大学進学する学生を指して用いた言葉。

 偏差値輪切り選抜の下での不本意就学の増加が、高校中退者増加の一因こなっている。

登校拒否/不登校


 文部省の定義では、「学校ぎらい」を理由に年間50日以上欠席した児童生徒を登校拒否児という。1980年ころから増加し、97年度で小学生1万6374人、中学生7万1027人に達している。

 基準を30日以上にすると、その数は小学生2万0754人、中学生8万4660人になる。

 50日以上とか30日以上というのは便宜的な基準であり、登校拒否状態にある児童生徒はもっと多いと考えられ、登校拒否のグレーゾーン(統計的には登校拒否数に入らないが、潜在的に登校拒否状態にある児童生徒の範囲)を含めて実体の把握とその原因の解明、対応策の検討が課題となっている。

 登校拒否は、当初、学校恐怖症(shool phobia)といわれ、神経症や精神障害を伴う長期欠席として主に精神医学・臨床心理学的方法から考察・対処されてきた。

 しかし近年は学校・家庭・社会の在り方を背景に起こっている現象として多角的な考察がなされている。登校拒否が心的な拒絶反応を示唆するという理由で、もっと広い概念として不登校を用いる研究者も多いが、学校通学を自明視する現代の学校化社会に対する「拒否」を象徴していると見て登校拒否を用いる研究者もいる。

 文部省は登校拒否を用いているが、法務省は「何らかの心理的、環境的要因によって登校しないか、登校したくともできない状態にある」という意味で不登校を用いている。

「imidas'99より」
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