偏差値


 学力試験などの結果を相対評価する方法の一つで、受験者集団の得点の平均と標準偏差を基に次の変換式で求められる。

 偏差値(T)=(個人得点−平均点)÷標準偏差×10+50

 大規模な模擬試験を行う業者が1970年代後半に使い始め、受験競争の過熱化に伴い全国に広まった。

 特に高校進学に際して志望校への合格率を高めるために偏差値による輪切り進路指導・輪切り選抜の傾向と、偏差値という相対的位置を競い合う傾向が強まった。

 こうした偏差値教育の弊害を是正するために文部省は業者テスト追放を断行し、

1)高校の制度改草(総合学科や単位制高校の設置)

2)高校の入試改革(推薦入学、調査書の改善、面接の拡大、入試教科数の削減、複数志願制)

3)中学校の進路指導の転換(啓発活動の充実や公的テストに対する指導)

を脱偏差値作戦の3点セットとして奨励した。

新学力観


 臨教審答申および1987年の教育課程審議会答申で示され、89年改訂の学習指導要領で採用され、指導要録の改訂を通じて明らかにされた学力観。

 従来の学力観は共通学力や定型的な知識・技能を重視する傾向にあったが、新学力観は変化に対応できる能力、個性化された能力を重視する。

 この転換に伴い、教師の役割も指導から支援へ、学力の評価も「知識・理解」の重視から「観点別学習状況」と「関心・意欲・態度」の重視への移行が期待されているが、特に中学校では高校入試との関連で試行錯誤が続いている。

「imidas'99より」
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