荒れる学校/学級崩壊
1996年度1年間に全国の公立中学校・高等学校で発生し教育委員会に届けられた「校内暴力」は、1万件を超えた。
83年度に調査が開始されて以来過去最高である。中学校では対教師暴力も顕著に増加している。
マスメディアによってあおられたという見方もできるし、軽微なものまで報告が徹底された可能性もある。
とはいえ、「学級崩壊」などと言われる現在の現象は子どもたちの置かれた状況が質的に変化したことを示す。
おとなしい生徒が突然キレたりするなど、教育の基盤となる教員と生徒の人間関係が成立しないことに戸惑いを見せる教員もいる。
保健室登校
登校しても教室には行かず、一日の大半を保健室で過ごすこと。
文部省がまとめた保健室利用の調査(1996年)によれば、保健室登校している生徒の数が、前回の調査(90年)に比べると、ほぼ倍増していることがわかった。
何らかの心的理由による場合がほとんどで、登校拒否と同根の事象として、保健室・養護教諭の役割に対する期待が高まっている。