教育の自由




 教育に関する私人・団体および教師・教科書執筆者の裁最権をいい、教育権・学習権と表裏の関係にある。

 近代公教育の成立期に、教育に対する教会や国家の独占・干渉を排除し、教育に関する私的選択権と、教育独自の論理に基づく自律的・自主的運営の保障を課題として生じた概念。

 臨時教育審議会での自由化論争では教育ニーズの多様化を背景にして選択の自由の拡大と市場原理の導入の是非が論じられたが、この場合の争点は私人・団体の裁量権と営業の自由を中核とする経済的自由にある。

 他方、教師・教科書執筆者の自由は国家や社会的諸勢力の干渉に対して教育の自律性・自主性を確保する問題として、学問の自由と同様、精神的自由の系列に属する。



子どもの権利条約

 「児童の権利宣言」(1959年)の精神を踏まえ、子どもの権利の包括的保障を実現するために国連で89年に採択された条約。前文と54条からなる。

 1条で子どもを「18歳末満のすべての者」と規定し、「すべての子どもが生命への固有の権利を有することを確認」し、「生存と発達を最大限に保障しなければならない」(6条)として、教育を受ける権利をはじめ子どもに保障されるべき諸権利を包括的に規定している。

 特に意見表明権(12条)、表現の自由(13条)、思想・良心・宗教の自由(14条)、集会・結社の自由(15条)等の市民的権利は、保護対象としての子どもから権利主体としての子どもへと子ども観を転換したものとして注目される。

 日本は94年3月に批准し、世界で158番目の批准国となった。

 人権専門家から成る「児童の権利に関する委員会」は、条約の実効をチェックするため批准国からの報告を受け、問題があれば勧告などで改善を迫ることができる。

 なお、日本での公式名称は「児童の稚利に関する条約」(児童の権利条約)である。

「imidas'99より」
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