中央教育審議会(中教審)


 1952年、文部省に設置された文部大臣の諮問機関。文部大臣の任命する20人以内の委員で組織され、教育・学術・文化に関する重要施策について調査・審議し、文部大臣に建議する。

 53年の第1回答申「義務教育に関する答申」に始まり、「期待される人間像」を示した66年の答申、1972年の学制と1977年の教育改草と並んで「第3の教育改革」と喧伝された71年の答申(46答申)等、数々の答申を行ってきた。

 95年4月に発足した第15期中教審は、「21世紀を展望した日本の教育の在り方について」諮問を受け、96年7月の第1次答申で、「生きる力」と「ゆとり」を鍵概念にして「学校のスリム化」「自ら学び、自ら考える教育」への転換を説き、また、学校週5日制については「21世紀初頭をめどに」完全実施を目指すよう提言した。

 これを受けて2002年からの実施が文部大臣によって決定され、現在、授業時数の70時間の削滅や教育内容の3割削減を柱にした教育課程の改訂作業が進められている。

 さらに第15期中教審を引きついで1997年4月にスタートした第16期中教審は6月に答申を行い、「教育は『自分さがしの旅』を助ける営み」であるとして、「全員一斉かつ平等に」という考え方から「それぞれの個性や能力に応じた方法、内容、仕組みを」という考え方への転換を掲げ、制度改革の目玉として公立中高一貫校(中等教育学校)の導入や希有な才能をもつ者の高校2年修了時点での大学入学を認める「飛び入学制」などを提言した。

 さらに「心の教育」答申(98年6月)では「生きる力」を社会全体で培うことを目指して家庭教育の充実等を呼びかけ、「地方教育行政に関する小委員会」答申(98年9月)では文部省の業務の精選、教育長の任命承認制の廃止と議会同意の導入、予算・人事をめぐる校長権限の拡大、校長・教頭任用資格の見直し、各学校の学級編制の弾力化、などを提言した。



 教育課程審議会

 1950年に設置された文部大臣の諮問機関。60人以内の委員で組織され、幼稚園から高校までの教育課程に関する事項を審議し、文部大臣に建義する。学習指導要領の改訂と同じサイクルでほぼ10年ごとに活動してきた。

 96年8月に発足した教育課程審議会は、25人の総論委員でスタートし、答申を受けた文部省の教育改革プログラムに沿って、2002年からの学校週5日制完全実施に向けて年間授業時数の削減と教育内容の厳選を中心に学習指導要領の改訂作業を進めている。

 1998年7月の答申では、授業時数を約8割に削減した上での内容の3割削減厳選、「総合的な学習の時間」の導入、授業時間割編成の弾力化、さらには、高校卒業単位の引き下げ(80単位から74単位へ)が提言されている。

 既成教科の授業時数はほぼ一律に大幅削減となり、基礎学力の低下等を懸念する声もある。

「imidas'99より」
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