心身症


「心で起きる身体の病」が心身症である。

 身体症状を主とするが、その診断や治療に、心理的因子についての配慮が特に重要な意味をもつ病態と定義されている。

 精神的なストレスによって身体の不具合が訴えられた場合、身体医学的な検査の結果、何も異常が見いだされなければ心気神経症または身体化障害とよばれる神経症である。

 消化性潰瘍、ぜんそく、円形脱毛症、本態性高血圧、心臓障害などが実際に引き起こされていれば、それは心身症である。



薬物依存


 精神作用のある薬物を社会的医学的にみて、不適当な使用をするようになったものを薬物乱用(drug abuse)といい、それを止められなくなったものを薬物依存という。

 退薬(禁断)症状を生じるようになったものを身体依存、薬のことが頭にこびりついてやめられなくなることを精神依存という。

 睡眠薬依存はアルコール依存症と作用、習慣化の在り方が似ており、睡眠薬依存の場合、精神錯乱、幻覚、けいれん、不眠等の退薬症状(離脱症状または禁断症状)を生じる場合もある。

 依存に陥ると一般に体がだるくなり、仕事に集中できなくなり、乱用が原因で、自殺未遂、器物損壊、暴行、交通事故等の問題行動も生じやすい。

 睡眠薬と並んでエフェドリン系薬物と鏡痛解熱剤、抗ヒスタミン剤等を含む市販のかぜ薬の中にも、青少年による薬物乱用の対象になるものもある。

 そのほかコカインの製品であるクラック(一見、カルメ焼き風のひび割れの白い塊であるからとも、頭がクラック<われる>することからこうよばれるともいう)のような興奮作用のある薬物の押収量が増えている。

 覚醒剤もアルミホイルで熱して鼻から蒸気を吸引するという使用法が広まり、乱用の発見、検挙が困難になっている。

 その他、ナツメグ、ガラナのような狭義の依存性薬物とはいわないが土俗的に以前から使われてきた薬物が、ソフトな依存性薬物として特に性的興奮を求めて使用されはじめ「合法的麻薬」といわれるものにはこのような物質が多い。

「imidas'99より」
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