1)建部清庵像・・・一関文化センター中庭

 建部 清庵(たけべ せいあん−二代由正)は江戸時代中期(生:1712〜没:1782)の一関藩の藩医です。
 鎖国の時代にあって最新の学問である蘭(オランダ)学に対する数々の疑問を江戸の蘭学者杉田玄白と交わした書簡は、後年「和蘭医事問答」として出版され蘭学の入門書として広く読まれたといいます。
 生家は川小路(今の田村町、図書館の通り)にありました。決して昔の偉い人だからありがたく思うように、等というつもりはございませんが、歴史の教科書に出てくる杉田玄白や蘭学などのかかわりで必ず名前の出てくる人です。
 当時、蘭学の中心は長崎、大阪、江戸だったと思いますが、はるか遠くのみちのく、一関の地にこのような人がいたこと自体が不思議で、信じられない思いです。私たちが思っているよりも歴史や医学の関係者には関心のある人で、一関に訪れる人も少なくないようです。
 玄白の塾で学んでいた清庵の子由甫は養嗣子となり杉田伯玄として前述の大槻玄沢と共に「和蘭医事問答」を出版し、オランダ医学、蘭(らん)学の発展を担うことになります。
 近くにもう少し知る場所があればいいとは思いますが、現在は市立図書館か厳美の市立博物館にでも行かなければなりませんね。


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