Various Hours in a Forest Vol.17~
写真冊子「ブナの声」17~

写真冊子「ブナの声」~16

 斎藤政広 写真集 
 
斎藤政広 著
写真冊子「ブナの声」
 1992年10月21日、酒田市のギャラリー「たぶの木」で始まった写真展「ブナの声」はその後10年にわたり、各所での開催を重ねてきました。それは多くの出会いで励まされ続けてきた10年でもありました。そして、10年を節目に自分を振り返り、問いかけてみた結果生まれたのが写真冊子「ブナの声」です。
 2001年10月に自費出版という形で、A4変形判、12ページでスタートしました。Vol2〜8では随想(北村昌美氏)やイラスト(前有香さん)を寄稿していただきました。現在、写真表現を充実したいということで、Vol9からは16ページになりました。全32巻の予定で、現在進行中です。
 創刊号でも書きましたが「森の持つやさしさ」、やさしさを心地のよさと見ても良いのですが、それを「生命の連鎖」のひも解きからヒントをいただき、森の本質を少しでも見つめてみたいと思いました。そして森からの視座で山や地球を見つめる目を持ち続けたい、と最近は思うようになりました。
 つたない写真冊子ですが、ほんとうに好んで見ていただける方に購読を願っています。それとて、購読者に支えていただきながら継続できることです。
● 購読は4冊単位で送料込み3,000円。会員制を基本にしていますが、希望する号があれば単品でも注文は受け付けられます。冊子を送付の際に会費の状況をご連絡いたします。
● お問い合わせが良くありますが、途中からでも購読できます!お気軽にお申し出ください。
ブナの声20

VOL.25 森の紳士録 第1集┃初冬のフユシャクを見つめて

秋深きことにこと寄せ話すかな 星野立子
しんしんと寒さがたのし歩みゆく 
星野立子 *現代俳句 山本健吉 角川文庫

ぼくは山やさんで虫やさんで、写真やさんで、ことにこと寄せて、世間話を得意とする主婦ではありませんが、星野立子の句に出会い、ひかれて、共感を覚えたのでした。
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鳥海山に朝日が当たり上昇気流が生まれる。この気流を待っていたようにイヌワシが飛び出します。ぼくの山歩きも始まります。 2016.3

ブナの声20

VOL.24 森に花咲く瞬間 〜静寂の森で…夏の森の印象

ショウキランの花の 微かな香気に誘われ、
クサカゲロウがわずかな生命を いそしむように、
森に生きている。 2015.3.20


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 「ブナの声」もなんとか、ここまでやって来ました。未発見の喜びに出逢うために。次回から「森の紳士録」に取り組んでみようと考えています。ぼくが出逢った生きものたちを紹介したいとおもいます。また、少々時間がかかるかもしれませんが。

ブナの声20

VOL.23 森に花咲く瞬間 〜若葉の森で

さて、ブナの根元にマイヅルソウがやさしげに咲いた。
「いい居場所を見つけたね」と、虫たちがつぶやく。 2015.3.20

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 次回は、「森に花咲く瞬間 静寂の森で」と題して、夏の森、その時々に出逢った花たちの表情をお伝えできればと考えています。

ブナの声20

VOL.22 森に花咲く瞬間 〜若葉の森で

ブナの落ち葉を踏みしめて歩く旧街道筋で、
ユキツバキにぼくは出逢った  2014.5.11


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 ここにきてこんな文章に出会った。漱石23歳のころのことである。
*「Best文章 is the best idea」とあり、under line をつけて「which is expressed in the best way by means of words on paper.」とある。次に進むと、「その idea を涵養するには Culture が肝要にて、次はおのれの経験なり」と。涵養と肝要、二つのかんよう、そこに挟まれた culture このことも面白い。
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ブナの声20

VOL.21 森に花咲く瞬間 〜雪解けの森で  2013.3.20

 子規の句に「日一日 菫の花に 遊びけり」がある。そしてどちらが先であとなのか、ぼくは調べもしないで勝手に、この句に答えて漱石の「菫程な 小さき人に 生まれたし」が詠まれたように思ったのである。ずいぶんと乱暴な見方であるけれど。菫になった漱石と病床にある子規との交流の風景を想像してみたのである。写真家は、日一日菫の花と遊びたい。また、菫程な小さき人になりたい。これが、詰まるところ、ぼくの理想の求めるところの写真家スタイルでもあります

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 4回ほどにわけて森に咲く花を取り上げてみたいと思います。

ブナの声20 VOL.20 鳥海山 〜森のつながりを見つめて  2012.11.20

 あとがきより。
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 武田實先生の年賀状のデータをいただいたとき、心の奥底で、先生!と声にならない声を発していた。先生とぼくとは同質であったのだと、ここにきて、先生との出会いは、ぼくの生き方の原点、そのめばえともいえるのだなと気づいたのでした。自然の驚異と神秘に触れる感性を生涯持続していた先生。そのすばらしさに、改めて、触れることができた一瞬でした。お礼をお伝えすることはできませんが、ありがとうございました。
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VOL.19 鳥海山 〜善神沼│ブナ帯を尋ねて  2012.6.20

 寺田寅彦の句に「哲学も科学も寒き嚔哉」というのがある。痛烈で軽快な批評魂を感じるのであった。今の時代を予言しているような思いにとらわれる。反省する日々が多い自分のこととして、この句を反芻しながら生きていこうと思います。
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 今回は秋田県の「善神沼」周辺に取材しています。写真は見開きで見ていただきたいと思います、そこに暮らす生き物たちのことでは、大きくイメージが膨らむのではないかと想像します。
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VOL.18 鳥海山 〜炭焼きの記憶│あがりこの森 2011.11.20
 「落ちざまに虻を伏せたる椿かな」夏目漱石の句であるが、なんとはなしにほほえましい印象が残った。寺田寅彦は、そこに物理学的な考察を与えた。 ・・・
 漱石先生、寅彦先生は、自然への眼差しの温かさを俳句によってお互いに確かめあっていることに気づくのである。
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 「ブナの声」が求めているもののヒントがこの辺りにもあるような気がする。 ・・・
 本文より…鳥海山ではブナ林が帯のように山麓を取り巻いています。その山里に近いブナ林では奇怪な姿のブナの森がみられます。これがアガリコの森です。
VOL.17 鳥海山…海から森への物語 アオスジアゲハの旅 2011.4.5

 創刊号に塵も積もれば山となると書いた。冊子作りもちょうど半分まで来て、いよいよ後半に取りかかるのだけれど、山が生まれたであろうか。前回のブナの声16号では「森から海への物語」をテーマにしたが、17号にはなかなか手がつけられなかった。山を父、海を母とするたとえがあるが、森から海に出たぼくは、母なる海に出て大海の中に藻くずとなって浮き沈み、過ごしていたようだ。
 海を旅して鳥海山の海岸付近に住み始めたアオスジアゲハをテーマに、さて、海から陸に上がって、後半のひとあしをしるそうと思う。
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写真冊子「ブナの声」~17

写真冊子「ブナの声」~16

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